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高井 静霞; 行川 正和*; 島田 太郎; 武田 聖司
IEEE Transactions on Nuclear Science, 69(7), p.1789 - 1798, 2022/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Engineering, Electrical & Electronic)福島第一原子力発電所内に保管されている大量の汚染コンクリートがれきの量を減らすためには、サイト内で低い放射能のがれきを再利用することが有用である。事故によるがれきの汚染の詳細は明らかでなくホットスポットを含む可能性がある。そのため、安全性を確保しながら再利用を進めるためには、コンクリートがれきの平均放射能だけでなく放射能濃度分布を効率的に評価する必要がある。しかし、厚いまたは密な物質の不均質な汚染の評価は、クリアランスモニタ等の従来の測定システムでは困難であった。本研究では、容器内に収納されたコンクリートの放射能濃度分布の評価に対する、画像再構成アルゴリズムの適用可能性を実験的に確認した。放射線は容器(505040cm)の周囲に設置したプラスチックシンチレーションファイバーにより測定した。局所的なホットスポットは、汚染瓦礫の主要核種の一つである、Csの標準線源により模擬した。放射能濃度分布は容器内の100または50のボクセル(ボクセルのサイズ: (10cm)または101020cm)に対して評価した。ボクセル数が100の場合容器内部のホットスポットは検知できなかったが、ボクセル数が50の場合容器内部・表面の両者のホットスポットを再現できた。画像再構成アルゴリズムのうち、ML-EM法により評価された濃度分布が最も精度が良く、全7つの実験ケースに対し70%の精度で平均濃度を評価できた。
横田 渉
企業サポートぐんま, P. 12, 2004/07
イオンと物質の相互作用を平易に解説するとともに、それを利用したイオンビームによる研究開発の実例として、イオンビーム育種によるキクやカーネーションの創出,宇宙用半導体の耐放射線性評価,マイクロビームを用いたPIXE分析などを紹介する。
佐藤 治夫
JNC TN8410 2001-003, 40 Pages, 2001/01
岩石などの単一層拡散媒体に対する透過拡散実験のシミュレーション及び解析のためのプログラム(TDROCK1.FOR)を開発した。プログラムは、科学技術計算に適しているPro-Fortranにより作成し、解析法として比較的簡単な陽解差分法を用いた。解析では、これまでに取扱うことができなかったトレーサセル中の溶質濃度の時間変化を入力条件とすることができ、トレーサセルから測定セル側への溶質の拡散に伴うトレーサセル中での時間に対する濃度の減少、媒体空隙水中の濃度分布及び測定セル中の溶質濃度の経時変化などを計算することができる。また、入力条件として、両セル中の溶液体積や試料の直径及び厚さをパラメータとすることもできる。本プログラムは、既に拡散係数(見掛けの拡散係数、実効拡散係数)が求められているケースについて測定セル中の溶質濃度の経時変化について検証した結果、実測結果をよく説明することができた。このことから、本解析プログラムが実際の解析やシミュレーションに適用できることが確認された。本報では、透過拡散実験における理論的取扱い、解析のためのモデル、ソースプログラム例及びマニュアルについて説明する。
岡本 孝司*; 班目 春樹*
JNC TY9400 2000-016, 90 Pages, 2000/06
FBR冷却系に於いて、蒸気発生器内でのナトリウム-水反応が安全上問題となる。この反応では、化学反応による流体の物性変化が流れ場に強く影響するため、非線形性が大きくその挙動の予想は困難である。本研究では、このように物性変化が大きな反応性流れ場の挙動を解明することを目的とし、ナトリウム-水反応を模擬した試験流体の流動特性に関して、実験的検討及び数値解析的検討を平成11,12年度の2ヶ年にわたり実施する。平成11年度研究では、実験的検討として緩やかな化学反応を伴う流れ場の速度,濃度の同時計測技術を開発した。速度場については、既存のPIV(Particle Image Velocimetry)手法を用いる。また濃度分布に関してはpH分布の計測に着目し、発光強度に関しpH依存性の有無を有する2種類の蛍光染料を同時に用いたDELIF(Dual Emission LIF)手法を開発した。開発した計測技術を用い、2種類の蛍光塗料としてQuinineとRhodamine6Gを用いることにより、酢酸水-水,アンモニア水-水,アンモニア水-酢酸水を用いた軸対称噴流場での速度,pH濃度場の同時計測を行った結果、これらの同時計測が可能でありかつ高い精度でpH濃度場の計測が可能となった。また、一連の実験により二液二層流体の混合に於いて、拡散が抑制される傾向が見られることが判明した。本報告書は、先行基礎工学分野に関する東京大学とサイクル機構との共同研究のうち、東京大学で実施したものについてまとめたものである。
飯沢 克幸; 鳥居 建男
JNC TN4400 99-002, 192 Pages, 1999/03
高速増殖炉におけるトリチウム挙動解析評価手法と負荷低減対策の開発整備を目的として、「もんじゅ」出力上昇試験データを用いて高速炉トリチウム挙動解析コード"TTT"の検証と定格運転長期予測評価を実施した。この際、既に長期運転経過により飽和挙動に達している「常陽」及びPHENIX解析結果との比較検討も実施した。"TTT"コードはR.KUMARのトリチウム・水素挙動モデルに基づき作成され、当初「もんじゅ」設計段階の評価に用いられて来たが、その後「常陽」MK-IIデータに基づき改良整備し、更に今回「もんじゅ」性能試験データによる検証精度の向上を図り、実力ベースにおける長期予測評価と低減対策検討への適用に到っている。本研究において得られた結果と結論は以下のとおりである。(1)「常陽」、PHENIX、「もんじゅ」性能試験におけるトリチウム濃度実測分布への解析コード炉心放出率適合値の検討により、制御棒からの放出寄与の優位性が推測された。(2)「もんじゅ」性能試験時のナトリウムと水・蒸気中トリチウム濃度分布に対して、解析コード検証精度C/E=1.1が得られた。(3)カバーガス中トリチウム濃度実測分布を再現するうえでトリチウム/水素同位体存在比均一化モデルの妥当性が確認された。(4)「もんじゅ」2次系ナトリウム中トリチウム濃度は1次系の約1/50で、
森嶋 彌重*; 古賀 妙子*
JNC TJ1400 99-030, 102 Pages, 1999/03
環境中にはカリウム-40をはじめウラン系列、トリウム系列などの自然放射性核種が広く分布しているが、一様な分布はしていないことから大地よりの環境線として、またラドンの発生源として種々の形態で生活環境に関与し時間的にも空間的にも大きく変動している。わが国では一般的に、花崗岩地域が多い西日本では放射線量率は高いので、自然放射線に対する理解を深め、花崗岩などの高自然放射線地域における自然放射性核種の拳勤と分布を明らかにするために環境調査を行う。調査する地域としては、特に、中国地方の花崗岩地域である島根県太田市池田鉱泉地域、島取県東伯郡三朝温泉地域、近畿地方で奈良県奈良市鉢伏地域、奈良県宇陀郡室生地域、兵庫県神戸市有馬温泉、兵庫県川西市及び対照地域としては東大阪市を含む大阪府周辺とし、ラドンおよび崩壊生成核種を含む自然放射性核種の環境中における挙勤と分布に関する検討を行ったので、その結果を報告する。(1)ラドンの測定は、長い設置期間が必要だが取扱が容易なカップ式ラドン・トロンモニタ、活性炭捕集によるピコラド法および300ml容のシンチセルの瞬時捕集によるパイロンラドンモニタ等の方法により検討した。積分型ラドンモニタは固体飛跡検出器として硝酸セルロース(コダック社製LR-115type2)を用いた。ラドンモニタのそれぞれの特性により、カップ法は3ケ月間設置捕集のため最小検出限界が高く感度が悪いが、設置期間の平均濃度が得られ、他の方法ては24時間又は瞬時の短期間の平均ラドン濃度となる。ピコラド法は検出器が小さく、捕集も容易で簡便な測定で同時に多数測定が可能なため分布図などの作成に有効である。(2)三朝温泉地域における1998年12月まで約4年間に実施した空気中ラドン濃度は各地域毎の平均値で、屋外ではND150Bq/m/SUP3、屋内ラドン濃度は8194Bq/m/SUP3と幅広く変動し、一般に屋内濃度が屋外濃度より高く、その比は1.12.3に変動している。測定した地域の内、三朝地区、旭地区(竹田川沿)および竹田地区天神川沿い(竹田川上流の一部)が高く、三朝温泉地区の東南部小鹿地区および三徳地区では低濃度であった。これを地質図と比較して見ると、高ラドン濃度を示した旭、竹田、三朗温泉地域は花崗岩層に位置し、低ラドン濃度を示した小鹿、三徳地域は火山岩(安山岩及び玄武岩)層に位
渡辺 龍三*
PNC TJ9601 98-005, 85 Pages, 1998/03
高速増殖炉の超寿命燃料被覆管の実現に向けて、機能発現のための手法として傾斜機能化を、作製プロセスとしては特に形状付与、組成制御および組織制御の自由度を求めて、スラリーディップ法に注目した。まず、燃料被覆管の内表面の核生成物に対する耐食性、中性子に対する耐照射損傷性、材料自体の高温強度、あるいは外表面の液体ナトリウム冷却材に対する耐食性等を踏まえ材料選択があり、これに対しては、ステンレス鋼管の内筒側および外筒側にそれぞれチタンおよびモリブデンをコーティングすることを考えた。このような被覆複合化に必然的に付随する熱応力の発生による材料破壊および異相界面での接合不良を回避するために、内外表面層の傾斜機能化を試みることにした。また、円筒形状物の内外表面への傾斜層の構築を考慮して形状付与および組成分布付与の自由度の大きいスラリーディップ法を採用した。本研究では、スラリーを構成する溶媒、分散剤、結合材および原料粉末との関連において、スラリーの分散、沈降、粘度、流動特性、降伏値について詳細に検討した。特に膜厚の微細制御の可能性を求めて、低粘度スラリーと高粘度スラリーの両者について検討した。低粘度スラリーの場合は粒子の沈降抑制のための条件探索が課題であり、一方、高粘度スラリーの場合には精確な降伏値を求めるために流動特性を明らかにすることが重要である。低粘度スラリーについてはその安定成の目安として分散粉体の沈降速度、およびスラリー中における原料粉体の分散性の目安として体積高さを指標として、傾斜層形成条件を決定した。すなわち、低粘度スラリーにおいては、ディップコーティングを再現性良くまた行程作業上安定に行うためには、沈降速度がなるべく小さいこと、また、沈降堆積高さが小さいほど良いとされる分散性の確保が重要である。一方、高粘度スラリーの場合には、低粘度スラリーにおいてみられる沈降現象は抑制される。また、高粘度スラリーを用いる場合には、スラリーの流動特性より粘度および降伏値が求まり、ディップコーティングの膜厚の制御性も良好である。ディップコート材の乾燥、脱脂、焼結に関わる諸プロセス条件は現行の粉体加工技術に求めればよいわけであるが、収縮の不均一に起因する傾斜組成制御材特有の問題を解決する必要がある。本研究ではプロセス条件を最適化することにより健全な傾斜機能材料を得た。しかし、一般的に傾斜
児島 慶造; 後藤 博幸; 福田 好博*; 三林 健次郎*; 正木 敏夫; 小林 洋昭; 浅野 博之*
PNC TN8410 98-041, 185 Pages, 1998/02
高性能溶融炉の一環として、1996年6月から7月にかけて円筒電極直接通電型溶融炉工学試験装置(JCEM工学試験装置)の第9回試験(JCEM-E9試験)を実施した。本試験では、白金族元素を含む模擬廃液(高模擬度廃液)を用い、JCEM工学試験装置における白金族元素が運転に及ぼす影響について評価を行った。その他、電極侵食量、固化ガラスの品質等、基本的な運転特性についても併せて評価を行った。JCEM工学試験装置は主要炉体を金属製電極および耐火レンガで構成したジュール加熱型溶融炉であり、溶融ガラス中に挿入した内部電極と外部電極間で通電してガラスを加熱するものである。外部電極は補助加熱炉の発熱体により加熱することが可能である。補助加熱炉は主に断熱材で構成され、金属製のケーシングで覆ったものである。本装置の溶融表面積は0.35㎡で、TVF溶融炉0.66㎡の約2分の1の規模である。本試験では、合計で13バッチのガラス製造運転を行い、3663㎏のガラスを製造した。試験の結果、JCEM工学試験装置の高模擬度廃液での処理能力は、ガラス製造速度で4.205.60㎏/hにあると判断され、低模擬度廃液を用いたJCEM-E8試験での結果よりも20%以上低い値であることが確認された。これは、溶融ガラス中の白金族元素の濃度分布の差による電流の集中が主な原因と考えられた。白金族元素の抜き出し性については、バッチごとの収支、およびドレンアウト後の炉内残留ガラスの観察より判断して良好な結果を得た。製造されたガラスの品質についてもTVF標準ガラスと比較しても有意な差はみられなかった。
木曽原 直之; 山口 彰
PNC TN9410 98-028, 33 Pages, 1997/12
高速炉安全解析の一環として、ナトリウム燃焼時エアロゾルの主要機器等へ移行量、空気中湿分との反応量および燃焼熱のエアロゾル粒子を介したふく射伝熱による周囲構造物への影響を評価する必要がある。このために、従来からエアロゾルの挙動解析にはABC-INTG(Aerosol Behavior in Containment-INTeGrated Version)が用いられてきた。しかし、ABC-INTGは1セルモデルによる均一な雰囲気における挙動を計算するコードであるため、より詳細な室内のエアロゾル濃度分布を把握することを目的として、多次元熱流動解析コードAQUAにABC-INTGで用いられているエアロゾル計算モデルを組み込むこととした。AQUAは多セルモデルによりガスの熱流動を計算し、エアロゾル粒子の空間的な濃度分布を詳細に評価できる。一方、ABC-INTGは1セル内におけるエアロゾル粒子の発生、凝集、壁や床への付着を計算し、エアロゾル粒径分布と濃度を求めることができる。つまり、この両者の長所を組み合わせることによって、エアロゾル特有の挙動計算を行いつつ流体の流れを解析しエアロゾルの室内での移動を把握しようとするものである。ABC-INTGとAQUAはそれぞれ別途開発されたコードであるため、そのモデル化の違いのためのインターフェイスプログラムが重要になる。組み込みに際して、オリジナルのABC-INTGからの各計算モデルのサブルーチンを抽出・修正・追加し、インターフェイスプログラムを介してAQUAとデータ授受を行いながら過渡計算を行えるように整備した。本報告書ではエアロゾルモデルとその組み込み手法について述べる。また、試計算として単純な体系の解析を実施し、物理的に妥当な結果を得ることもできた。これにより、AQUAコードにおいてエアロゾルを取り扱うことが可能となり、ナトリウム燃焼時のガスの熱流動とエアロゾルの挙動を連携させた詳細な解析を実施できる見通しを得ることができた。
小原 欽一*
PNC TJ1676 97-001, 221 Pages, 1997/03
関東北部炭田地域を対象として地質、地下水データを収集、分析するとともに、地球化学的手法と水理シミュレーションによって深部地層中の地下水水質の起源や変遷について解析した。地球化学的手法による水質の解析では、常磐炭砿の坑内で記録されたデータにより、溶存イオン濃度分布などの特性を明らかにし、水質を区分した。また現在揚水中の温泉などから採取した地下水について環境同位体分析を行った。その結果、この地域における深部地下水のほとんどは、海水を水質の起源とする混合水であることが推定され、一部の地下水は数十年前の地表水の混合したものが見られる一方で、化石海水の特徴を示す地下水の存在も明らかとなった。数値シミュレーションによる水理解析では、大局的な地質構造および坑道掘削の形状を反映した広域モデルを作成し、坑道のない状態から坑道掘削時、そして閉山後の再冠水時にわたる約100年間の長期シミュレーションを行った。その結果、坑内湧水量や再冠水後の水位回復がおおむね再現でき、この広域モデルによる解析は人工改変による地下水流動系の変化を把握する手法として有効であることが認められた。さらに陸域から海域を含む大規模な地下水系について、海水面変動による塩淡境界の地質時代にわたる変化についても解析を試みた。
森嶋 彌重*; 古賀 妙子*
PNC TJ1630 97-001, 37 Pages, 1997/03
土壌中にはウランやラジウム等を含む鉱物が広く分布しており、これらがラドンの発生源として種々の形態で人の生活環境に関与し、ラドン濃度は様々な要因によって時間的にも空間的にも大きく変動している。そこで、環境大気中のラドン濃度の経時変動および場所による濃度レベルの分布を簡便にしかも、正確に評価するために特にピコラドシステムおよび液体シンチレーションスペクトロメータ(Tri-carb 2250CA)を用いて空気中ラドン濃度の測定に関する基礎的研究を行うとともに、日本でも有数のラドン温泉である鳥取県三朝温泉と、その周辺地域のラドン濃度の測定を行い、ラドンおよび崩壊生成核種の環境中挙動に関する検討を行ったので、その結果を報告する。
not registered
PNC TJ1647 97-001, 131 Pages, 1997/02
この報告では、自然大気中に存在するラドン娘核種の粒径分布、およびエアロゾルに付着していない非付着原子(フリー成分)の測定法について調査した結果を述べた。また、環境中のトロン濃度について、主に放射線防護にかかわる文献をサーベィして、リストとした。さらに、大気中のラドン娘核種の粒径分布について、動燃事業団・人形峠事業所構内において予備的測定を実施し、測定法ならびにデータについて検討した。
中嶋 英雄*; 山口 明*
PNC TJ1638 95-001, 60 Pages, 1995/02
地層処分の人工バリアの一つであるガラス固化体からの放射性核種の長期的な移行量を予測することは性能評価上不可欠である。核種の移行はガラス固化体の溶解挙動に依存しており、長期的な溶解機構に関する知見を必要としている。本研究では、このようなガラスの長期的な溶解機構を解明するために、浸出試験を行ったガラス表面変質層内の元素を系統的に調べることを主な目的としている。今年度は90Cの条件で短期浸出試験に供した模擬廃棄物ガラスおよび合成火山ガラスについてガラス中の水素およびナトリウムの濃度分布をそれぞれ反跳粒子検出法(ERDA)および核反応検出法(NRA)を用いて測定した。これらの実験結果に基づいてナトリウムの溶解、水素の浸入過程についての知見を得た。
佐藤 泰生*; 佐田富 道雄*; 川原 顕麿呂*
PNC TJ9614 94-001, 59 Pages, 1994/03
垂直気液二相流系におけるサブチャンネル間のクロスフローは、乱流混合、ボイド・ドリフト、および差圧混合の三つの成分から成るといわれている。このうち、各サブチャンネルにおける両相の流量が管軸方向に変化しない平衡流では、乱流混合のみが生じる。これに対し、非平衡流では、一般的には、これら三成分が共存した状態となる。本研究では、このような非平衡流について、管軸方向への流れの再配分過程に及ぼすサブチャンネル間差圧の影響を実験的に調査している。実験には直径16mmの二つの同一サブチュンネルからなる流路を使用し、これら二つに空気と水を不均一に導入することによって、サブチャンネル間に差圧のある場合とない場合のいくつかの非平衡流を実現した。そして、各サブチャンネルにおける管軸方向の空気と水の流量分布、ボイド率分布、片方のサブチャンネルに両相のトレーサーを注入した時の濃度分布のデータを、サブチャンネル管差圧分布のデータと共に得た。さらに、これらのデータを分布して、上述の三成分に対応する空気と水の横方向速度を求め、それらの速度に及ぼすサブチャンネル間差圧の影響を調べた。
池辺 幸正*; 藤高 和信*; 下 道国*; 飯田 孝夫*; 永峰 康一郎*; 石塚 信*
PNC TJ1545 94-003, 39 Pages, 1994/03
大気中の放射性物質の挙動を把握するためには、局地的に発生した成分と同時に、広域で発生した成分を評価する必要がある。この調査研究では、ラドンとトリチウムの広域挙動解明を目的として、次の調査研究を実施した。先ず、ラドンの発生源分布を土壌のSUP226/Ra含有量分布から計算によって作成した場合、各地の土壌物性の差異に起因する実測値との差異は+-50%以内であることを示した。次に日本で観測されるラドンの発生源別寄与について検討した。3次元移流・拡散数値シミュレーション、流跡線モデルなどに基づいて、季節風卓越時の大陸からの寄与は、金沢、名古屋で13Bq/m/SUP3であると推測された。また、中国を含む東アジア地域で実施した水蒸気中トリチウムの組織的調査で得られた地域分布を示し、北京における濃度の日々変動を2層流跡線モデルを用いて解析した結果を示した。
大戸 敏弘; 鈴木 惣十
PNC TN9420 92-005, 83 Pages, 1992/04
本報告書は、高速実験炉「常陽」の核計装設備および実験炉部で実施している広範な研究開発のうち、放射線計測が主要な測定技術となっている代表的な研究開発の内容を紹介するものでる。 核計装設備の紹介では、原子炉プラント設備としての核計装の機能と位置付け、使用している中性子検出器の仕様と特性、システム構成と機器配置等について記述した。各種照射試験やサーベイランス試験に対する中性子照射量を実測ベースで評価するための原子炉ドシメトリーでは、実験炉部が採用している多重放射化法とその測定解析評価法および目下開発中のHAFM(ヘリウム蓄積モニタ法)について概説した。また、放射線計測技術がキーとなる破損燃料検出技術の開発では、「常陽」の燃料破損検出設備と各種実験装置の説明に加え、現在までに実施した。一連の燃料破損模擬実験の主な成果を紹介した。 さらに、放射線計測を基礎技術として用いている研究開発として ・使用済燃料の燃焼度測定 ・被爆源(放射性腐食生成物)分布の測定と評価 について、その概略内容を記述した。
阿見 則男; 三好 慶典; 館盛 勝一
JAERI-M 91-184, 31 Pages, 1991/11
再処理抽出工程では、有機溶媒流量減少のような工程異常時に4価プルトニウム(Pu(IV))が抽出器内に蓄積をする可能性がある。このような蓄積で、Pu(IV)濃度がある限界を超えると第3相と呼ばれるPu(IV)、硝酸、TBPを高濃度で含む相が形成され、界面位や濃度分布、更に有機溶媒組成に大きく影響する。本報告では、界面位や濃度分布、有機溶媒組成等が抽出器の臨界性に及ぼす影響をMULTI-KENOを用いて調べた。多群核定数ライブラリはENDF/B-IVから作成したMGCL-26群とよび137群のデータセットを用いた。その結果、蓄積により高濃度になった有機相を、水相とみなして臨界計算を行っても中性子実効増倍係数の相違は1%程度であること、抽出器内で考えられる濃度範囲では燃料が抽出器中央に集まるような分布が中性子実効増倍係数をより大きくすること、TBPが通常濃度の30%より高くなると中性子実効増倍係数が減少することがわかった。
文沢 元雄; 小川 益郎; 菱田 誠; 岡本 孝司*
FLUCOME-91, p.333 - 338, 1991/00
高温ガス炉の配管破断時の空気侵入事故に関連して、水平及び傾斜開口部を通る置換流(対向流)の実験を行った。作動流体としてはヘリウムガスと空気を用いた。またマッハツェンダー干渉計により非定常濃度分布の可視化を行い、流動様式を観察した。この結果、水平開口部の場合、左右及び上下に変動する不安定な流れが観察された。傾斜開口部の場合、流れは上部と下部に分離された安定な流れが観察された。傾斜開口部の場合、流入空気量が水泡開口部の場合より多くなることが分かった。
文沢 元雄; 菱田 誠; 功刀 資彰
JAERI-M 89-065, 37 Pages, 1989/05
高温ガス炉の安全性研究に関連して、静止気体(空気)中に異種気体(アルゴンガス)が層流状態で鉛直下向きに噴出する場合の2成分気体噴流の流れ場と濃度場を数値解析により、また濃度分布を実験により調べた。その結果以下のことが分かった。(1)噴流は重力のために加速されるので、軸方向速度は下流に向かって増加する。(2)噴出口直下ではアルゴンガス噴流のポテンシャルコアが存在するが、下流に進むに従って周囲気体の巻き込みおよび拡散のためにアルゴンガス濃度は減少する。(3)流速、濃度および質量流速の半値幅は噴出口付近で下流に進むに従って減少する傾向にある。
小川 弘道; 山本 忠利; 和達 嘉樹
JAERI-M 85-111, 16 Pages, 1985/08
土壌中における放射性核種の移動速度を測定することを目的とし、帯水層土壌試料中における放射性核種の濃度分布を非破壊的に測定するシステムを開発した。本システムでは、帯水層土壌試料中に挿入した検出器により、線の計数率分布を測定し、検出器の測定効率を係数行列とする連立方程式を作成する。濃度分布が指数関数的に変化するとする仮定を導入して連立方程式を解くことにより、帯水層土壌試料中における濃度分布を算出する。本システムに関して機能試験を行った結果、帯水層土壌中における放射性核種の濃度分布を測定できることが確認された。本報告は、システムの概要および機能試験の結果についてまとめたものである。